私はオーストラリアのワーホリ時代3~4カ所でアルバイト(仕事)をした経験があります。
今回は、実際に私が初めてアルバイト(仕事)に採用された時の苦い思い出をご紹介します。面接とか、トライアル、採用されてからの苦悩など盛りだくさんです。ぜひ、最後まで読んでください。
- Australiaワーホリ2年間(2013~2015年)
- NZワーホリ1年間(2016~2017年)
- 滞在中はジャパレスでのアルバイトを楽しむ
- ラズベリーピッキングで2ndビザ取得
- 半年ごとに都市と仕事を変えながら移動
初めてのアルバイトで採用されるまで
実は初めての仕事探しは難航しませんでした。
たまたま見学に行ったシェアハウスに住んでいた韓国人が仕事を紹介してくれたからです。紹介と言っても情報だけなんですけどね。それでもこんなチャンスを生かさないわけにはいかない!せっかくいただいた情報をありがたく利用させてもらうことにしました。
仕事情報こそカンタンに手に入りましたが、私のこの初めての仕事は挫折からのスタートでした。何度辞めようと思ったことか・・・苦悩の連続だったんです。でも6か月続けることができたのは、とあるターニングポイントがあったからです。まずは採用されるまでの流れをご紹介します。マネージャー(店長)の感じの悪さに注目です。笑
お店に電話でコンタクト
まずは、シェアハウス見学で出会った韓国人の女の子教えてもらった番号に電話をしました。
当時持っていた心もとない2Gのノキアのガラケーで連絡。
Hi this is sushi restaurant how can I help you?
Hi, Can I talk to Japanese?(日本人がいること、日本語が喋れることはリサーチ済み)
日本語でしゃべっていいと言われえたので、アルバイトを探していることを伝えました。すぐにマネージャーに代わってくれて2,3質問されて(ビザの種類とか期限とかだったと思います)面接をしてもらうことになりました。
いざ、面接当日!!
履歴書は事前に作成していました。それをシェアハウスのオーナーのおしゃべりオヤジ、ケイにプリントアウトしてもらい面接日に持参しました。
お店の入り口に入ると日本人っぽい人が元気に「いらっしゃいませ~~!」とあいさつしてくれました。迷わず日本語でアルバイトの面接に来ていることを伝えました。奥に通してくれてマネージャー(店長)さんと初対面。
マネージャーは30代前半くらいの日本人の男性でした。
面接の内容は忘れましたが、私のことがすごくバカっぽくポンコツに見えたようで(実際そうなんですが・・・)とてつもなくマネージャーが私に不信感を抱いている様子でした。
このままでは採用されない・・・と焦り、一生懸命お願いしました。
一生懸命がんばりますので、よろしくお願いします!!
キャベツの千切り得意なんです!!(謎のアピール)
じゃあ、トライアルはしてみるけど・・・まずはそれ次第だね。
(キャベツの千切りスキル必要ないし)
帰れ!って言われそうな雰囲気を必死で引き留めて、となんとかトライアルまではこぎつけることができました。でも、印象の悪さはぬぐえません。(すごくトロく見えたそうです)
悲願のトライアルと念願の採用!!
面接の翌日くらいにトライアルに行きました。
日本人の女性がトライアルを担当してくれました。トライアル自体初めてだったのですが、採用されたらどんな仕事をするか説明を聞きながら実際に皆さんと同じ仕事をやってみる感じでした。
この時は、キッチンハンドだったので仕込みの仕方とか、お寿司の巻き方とか・・・そんな感じだったと思います。
日本ではお寿司と言えば「握りずし」が主流ですが、オーストラリアでは断然「巻きずし」が人気NO1です。
しかも生魚よりdeep fried chiken(チキンカツのようなもの)やアボカドを使ったカラフルなメニューが大人気!!
トライアルは確か4時間くらいで午前中だけだったと思います。無給でしたが、まかないのうどんを食べさせてもらいまいた。
トライアル自体は悪くなかったようで、その日のうちに採用が決まりました。
うちは忙しい店だから、もし役に立たないと思ったらすぐクビにするから。そのつもりでいてね。
と念をおされました。相変わらず印象はよくないようです。採用が決まってから平日週3くらい、1日4時間程度のシフトをもらいました。100点満点の採用ではなかったようですが、晴れて採用されて私は喜びに満ちていました。
有頂天の採用から急降下の挫折
お店のスタッフは9割が日本人で、残りの1割は韓国人でした。韓国人もみんな日本語が喋れます。だから店内のスタッフ同士の会話は日本語でした。
- 日本人9割
- 現地妻
- 学生ビザ(AUSの大学や高校に通学)
- ワーホリ
- ビジネスビザ(寿司屋の正社員)
- 韓国人1割
- ワーホリ
- 学生ビザ
当時の私は採用されて浮かれていましたが、人生そんなに甘くないです。
私はここで挫折します。
このお店はオーナーもマネージャーも日本人です。
だから効率を第一に考える集団の集まりです。そのうえ、一カ月たっても役に立ちそうになければクビ制度があるので、残っている人たちはその関門をパスした精鋭たちばかりです。
私は日本で仕事をしていた経験はありました。でも実は飲食店は初めてだったのです。他のスタッフに比べて、どれだけ自分が何もできないヤツかと思い知ります。
例えば・・・
- 朝の仕込みが開店時間に合わない
- 巻きずしの中身の具材は覚えられない
- 慣れないお寿司の英語の名前にテンパる
- 焦りすぎて包丁で手を切る
- 手が滑ってオーダー商品をお客様にぶちまける
👆数々の失態。私がマネージャーだったらすぐにクビを言い渡しますよ。言い訳にはなりますが、テキトーに働いていたわけではありません。自分なりに一生懸命頑張って働きました。でも物覚えが悪く、不器用なのでうまくいきませんでした。
私のことを教えてくれているトレーナーさんも次第に顔が曇っていくのがわかりました。
仕事ができる人の手を止めてトレーニングに費やしているので、私がいるせいで他の方の忙しさが増しているのが見て取れます。
早く成長しないといけない・・・・と思い自分なりに頑張ってはいました。でも空回りばかりでシフトは増えるはずもなく、週3のシフトが週2へ・・・とどんどん減っていきました。
マネージャーからしたらほら見たことかって感じだったでしょうね。
私自身も自分が迷惑をかけているのはわかっていたので、「辞めたい」と思うようになっていました。
シェアメイトの励まし
お店のみんなから不要と思われているのは感じていました。それもあり、ツラくて辞めたいと思っていました。頑張ってもできないことの方が多くて自分に自信が持てなくなり、日々落ち込んでいました。
ワーホリにきて、なんでこんな思いをしてまで働かないといけないのか・・・
誰からも必要とされていないし、自分から辞めた方がみんなの為だとも感じていました。でも、できない自分が情けなくてこのままだと悔しいという思いも持っていました。
辞めたいとは思うものの言い出せない日が続き、シェアハウスではメニューを覚える練習をしていました。
巻きずしは全部で40種類くらいありました。日本になじみのない具材もあるし、それぞれの具材のグラム数はきちんと決められていました。実際の具材を買って練習するような金銭的余裕などなく・・・。白い紙に色を塗って、ネタに見立て実際に巻いてみるという練習をしていました。
そうやって、それぞれの巻きずしにどんな具材がどれくらいの量入っているのか覚える練習を部屋でしていました。
そんな私の姿を見て、シェアメイトのスーちゃんは
だるがりの頑張りを認めてほしい!!
と言って励ましてくれました。そういう存在がいただけでも救いですよね。スーちゃんだけではなく、当時の友達も落ち込む私の話を聞いて励ましてくれていました。
もし一人で悩んでいたら・・・怖いですね。友達の存在って大切!!
私にターニングポイントを与えてくれた先輩の存在
お店のみんなから私は疎まれていると思っていたのですが、一人だけ様子が違う人がいました。
本当に心が美しすぎる大先輩テーコさんは、ベテラントレーナーさんです。どんなに私がミスをしてもトロくっても、ため息一つつきません。
テーコさんはきっちりしている方なので、ダメなことは叱ってくれるし、良いことはほめてくれます。新人の指導を押し付けられても嫌な顔一つしません。私が仕事が使い物にならない人間でも、たくさんの迷惑をかけてもどうすればもっと早くできるようになるのか、一緒に考えてアドバイスをくれたりしました。
そんなテーコさんからある日、とある”仕込み作業”を頼まれます。ツナマヨのネタをつくるという仕込みです。その仕込みを15分でやってこいとの事でした。初めて教えてもらった時は30分以上かかった仕込みです。
- 予めみじん切りにして水にさらしてある玉ねぎ(大1.5個分)をキッチンペーパーで限界まで水分を抜くよう絞る
- 業務用の袋に入った1㎏×3くらいのツナフレークを布巾で限界まで絞って水分を抜く
- マヨネーズ、その他調味料を加えて混ぜる
- 日付を書いたタッパーに小分けにしておく
仕込み内容は一見単純で余裕そうにもみえますが・・・・実際は業務用なので思いのほか時間がかかります。
仕込み15分リミットの我慢勝負とタイムロスポイント
- みじん切りにしてある玉ねぎは水にさらしたまま冷蔵庫で眠ったものです。よってとてつもなく冷たいのです。冷たさとの我慢勝負!!
- 業務用のオイル付けのツナ1㎏の袋を3つ使います。しかも狭いスペースの中で絞っていかないといけませんでした。ツナがオイリーで滑りやすく、多量にあるため絞るための布巾がすぐに破れてしまいます。いかに破らないように丁寧に速く絞るかが勝負!!
- ツナのオイルでベタベタの手で調味料器具を触ってはいけません。手洗い&手袋替えのタイムロス!!
- 小分けにするタッパーも5,6コ必要。タッパーは使う前にアルコール消毒をして拭いて、マスキングテープで仕込みをした日付を一つ一つに書いてはっていました。マスキングテープが手袋についてモタモタするのでタイムロス!!
この作業を15分でするのは至難の業です。言われたとき正直絶対に無理だと思いました。
ただ、テーコさんに
みんな15分でしてるから!!
と言われたのもあって必死に頑張りました。
結果、15分ではできませんでした。正味18分くらいかかったと思います。
私は目標通りにできなかったのでまたできなかった・・・と落ち込んでいました。またダメだったというネガティブな思いでいっぱいになりました。
その日の帰りたまたまテーコさんと同時上がりだったので一緒に帰っていました。交差点で信号待ちをしているときだったと思います。
実はね、ツナの仕込みは新人さん30分くらいかかるんよ。今までいろんな新人さんに15分でやるように言って時間を計ってきたけど、だるがりのように本当に15分でできた子は今までいなかったよ。
だるがりが15分でできたことにびっくりした。
だから、きっといろいろ今は時間がかかるかもしれないけど、力はあるんだと思う。慣れればいろんなことができるようになると思う。
と言ってくれました。帰って泣きましたよ。うれしかったから。
この言葉があったからもうちょっとがんばってみよう!!と思えるようになりました。
クビを回避することができた3つのラッキー
いくら私が頑張りたい、続けたいと思ってもマネージャーからクビを言い渡されたら従うより他ありません。ここで私が本当にラッキーだったなと思ったことが3つあります。
- マネージャーが日本に一時帰国中で不在だったこと
- マネージャーからの評価が低すぎたこと
- ワーホリの就労制限によるスタッフの入れ替わり
マネージャーが日本に一時帰国
それは私の進退がジャッジされる採用1か月の頃、ジャッジを下すストアマネージャーが長期不在だったのです。マネージャーはannual leaveをとっていてその間日本に一時帰国をしていたようです。
もし、マネージャーがいたら100%クビでした。それは間違いないです。なんなら「だるがりなんか今すぐクビにしてよ!!」って思ってる人たくさんいたと思います。
そしてその頃、私が担当していた寿司巻き部門が人手不足に見舞われます。本来であればマネージャーがシフトを作るのですが、不在の間はもう一人の社員さんがシフトをつけるのです。その社員さんが週5くらいでシフトに入れてくれました。どんなに覚えるのが遅い私でも、週5も入れてもらえれば覚えるスピードが格段に速くなります。自分でいうのもなんですが、見違えるように成長しました。
そうしてメキメキ成長した私は、マネージャーがオーストラリアに戻ってくる頃には常に週5でシフトに入りみんなと同じように働けるようになっていました。
もともとのマネージャーからの評価が低すぎたこと
やがて私のことを一つも信頼していないマネージャーが日本から帰ってきました。
マネージャーが帰ってきて私に行った第一声は
だるがり、がんばってるってるみたいじゃん!!
これ多分誉め言葉です。初めて笑顔をみました。
私のラッキー2つ目は、最初の印象が悪すぎたこと。おかげで、でちょっとの変化で印象が良くなります。
このころの私の好感度はうなぎのぼりですよ!笑 それまでは無視されることの方が多かったのですが、次第に話しかけてくれるようになりました。
ワーホリの就労制限によるスタッフの入れ替わり
さらにダメ押しでもう一つのラッキーが。
たくさん迷惑をかけてしまったスタッフはワーホリだった人が多かったです。同一雇用主での勤労は半年で辞めないといけない制度により、働き始めて2,3か月目にはほとんどの人が入れ替わっていました。
そのおかげで嫌な雰囲気を引きずることなく、新しく入った人には先輩として扱ってもらえました。
高校デビューや、大学デビューならぬ、アルバイトデビュー in Australiaですね。笑
ターニングポイントはいつも誰かの言葉
最初はしんどくて辞めたかったオーストラリアでの初めての仕事。でも仕事が人並みにできるようになり、周りに溶け込めるようになってからは毎日楽しくてやりがいを感じていました。
夕方でシフトが終わる日でも、数時間休憩室に残ってスタッフと談話したりしてました。
ここで働くことが楽しいと思えるようになったのは、あの心が折れそうなときのテーコさんの一言のおかげです。心の底から感謝です。(ただ、この感謝の気持ちを実際にテーコさんに伝えたのはそれから1年以上たってからです。)
ベビーシッターを諦めた時のジェイちゃんの言葉もそうですが、人生におけるターニングポイントってこんな風に誰かに言われた言葉だったりしませんか?
人を傷つけるのも人、人を喜ばせるのも人
結局いつも人の心を動かすのは人なんだと私は思っています。私が優柔不断だからっていうのも否めないのですが・・・
がんばらなくてもいいよ!
ただ、私がここで言いたいことはあきらめずにがんばればきっと何でも成功するよ!!ってことではないです。むしろ逆です。
がんばらなくてもいいよ!!
こっちですね!
私の場合はテーコさんのような心の支え的な人がいたから続けられました。でも、正直海外に来てまで嫌な思いをして仕事をする必要はないと思います。特にワーホリならなおさら。時間がもったいないから。たまたま私がラッキーだっただけなんで。
もし、ワーホリ時に仕事をしてみて自分に合わないと思ったり、楽しみを見いだせない場合はスパッと辞めて環境を変えてみてもいいと思います。
この当時の私は辞めたら次雇ってくれるところがないかも・・・なんて思っていたけど、そんなことないです。都会であればお店はたくさんありますから、その分雇用もあるはずです。ガッツがあれば仕事は見つかります!!(仕事探しに関しては根気強く頑張る必要がありますが・・・)
パースに住んでいた時にどうしようもなく仕事ができないという噂の日本人がいました。どこのジャパレスに行ってすぐもクビになるという噂の持ち主。でも、そんな人も、最終的には雇ってくれるジャパレスが見つかったんです。いつも暗い顔をしていたのに定職に就いた後は、笑顔でシティーを歩いているという噂まで流れていました。
せっかくのワーホリなのでつらい事よりも楽しい事をたくさん見つけてほしいです。仕事についても自分に合った楽しめるお仕事を見つけてもらえたらいいなと思っています。だから、自分に合わないな・・・と思う仕事を無理して続けるより、自分に合う仕事を探しましょう!